重影
明日はそれなりの関係の子と、嵐山渓谷に紅葉を見に行こうという話をしていた
しかしなんだか気分は乗らないし、紅葉前線を見るとまだ見頃でないらしい。来週以後に予定を遅らせたいがなんせもう前日だし、そもそもの日程を提示したのも俺だしで気分が重い。バイトが始まるとスマホを見れないので、その前に意を決して(3時間くらい粘った)相手にライン。予定遅らせない?と聞いてみる
以前(といっても具体的にいつまでというのがあるわけじゃないけれど)の俺だったら、何も言わずに微妙な気分のまま明日の予定をこなしていたかもしれないと思った。まさにこなすといったかんじ。人との約束が急にふっ、と面倒になってしまうことがある。そうなると、予定を楽しむことができる精神状態になかなかなれないのだ
五分くらいして相手から了承の旨が返ってくる。ありがたい
心の重荷を下ろすと、ふとKissHugが聞きたくなった。イヤホンをつけてスマホを操作すると、耳に落ち着いたイントロが流れ始める
友達だなんて 一度も思ったことはなかった
あなたに 出会ったあの日から
Aメロが始まる。こうして文字にするととんでもなく重い歌詞だ
KissHugはどこまでも内省的な曲だ。今はそれがとても心地よく感じられる